ケダモノ、148円ナリ

 



 お茶を飲んで、二人で片付け物をしたり、お風呂に入る順番をジャンケンで決めたりとかしている間は、なんだか合宿みたいで楽しかった。

 ……が。

「じゃあ、こっちの部屋は今、使ってないので、どうぞ」
と明日実は自分の部屋の隣の部屋のドアを開ける。

 電気をつけると、貴継は鼻をひくつかせ、
「……男の匂いがするな」
と言ってきた。

「顕人おにいさまが使ってらした部屋ですから。
 でも、いつも換気してるのに、よくわかりましたね」
と言うと、

「この部屋はすかん。
 お前の部屋で寝る」
と言い出す。

「ええーっ。
 もう、しょうがないですねー。

 じゃあ、私がこっちで寝ますから。

 あの……貴継さん、私の部屋で寝てください」

 なんと呼ぼうか、迷って、結局、名前で呼んだ。

 他に呼びようがなかったからだが、一瞬言いよどんだのを見てとり、貴継は笑う。

「……呼び捨てでいいぞ」

 その口調が、ちょっとやさしく聞こえて、なんとなく後ずさる。