ケダモノ、148円ナリ

 



 会議と会議の合間、自動販売機の前で、休憩していた貴継は、ふと気づく。

 ガラス張りの店のことばかり心配していたが。

 考えてみれば、社内にも危険な奴らが山と居るじゃないか。

 栗原とか、栗原とか、栗原とか。

 それと……

「大和とか?」
と声がして振り向くと、笹原が立っていた。

「……何故、俺の考えてることがわかった」
と言うと、

「お前のことなんてお見通しだよ。
 そんなに落ち着かないのなら、さっさと結婚でもしたら?」
と言ってくる。

「出来るものならしている」

「あれ?
 珍しい。

 相手にされてないの?」
と笑われた。

 大和に対しては、しょっちゅう思っていることだが、

 笹原に対しては、初めて思ったな、と思う。

 ……殴り殺したい。

「らしくないね。

 ぼんやりしないで。
 ほら、行くよ」
と社内では唯一自分を見下ろせる男、笹原に首根っこをつかまれた。