ケダモノ、148円ナリ

 



 新幹線の指定席に座り、貴継が駅で買ったサンドイッチを食べようと袋を開けたとき、
「貴継」
と声がした。

 荷物を抱えた笹原が通路に立っていた。

 早朝だからというわけでもないだろうが、相変わらず、何処かぼーっとした顔だ。

 ああ、と貴継は缶コーヒーを開けながら言った。

「お前も行くんだったか」

「忘れないで」
と言いながら、笹原は横に座る。

 技術関係の人間も来るんだったな、と思い出していた。

「なに持ってくんだ、そんなに」
と貴継は笹原の大きめのキャリーケースを見る。

 同じ会議に出るんだろ。
 一泊のはずだが、と思っていると、やはり、まだ食べていなかったらしい笹原がカツサンドを出したあと、キャリーケースを上に上げながら、

「だって、いるものいっぱいあるじゃない、泊まりだと」
と言ってくる。

「……まさか枕とかまで入れてるんじゃないだろうな」