ケダモノ、148円ナリ

 貴継は少し考え、
「言うこと聞かないお前より、顕人に手錠でもかけておいた方がいいかもな。
 いや、あいつも一緒に出張に連れていこうか」
と呟き出す。

 そう聞いたとき、明日実の頭の中では、貴継と顕人がお互いの手を手錠で繋ぎ、新幹線で並んで弁当を食べていた。

「それはそれで、なにか変なので、やめた方が……」

「そう思うのなら、お前がいい子にしてればいいんだ」

 そう言いながら、貴継は強引に明日実を抱きかかえる。

「ちょっ、ちょっと待ってくださいっ」
と言ってみたが、貴継は聞いていない。

「大丈夫か?
 他の男にちょっかいかけられたりとかしてないか?

 あのあずみんとか」
と栗原のことを言ってくる。

「いや、あの人があずみんなわけではなくて、私をそう呼んでるだけなんですけど。

 っていうか、それ呼んでるの、栗原くんだけじゃないですよ。

 今日、大和さんもあずみんって呼んでたから、きっと、あずみん広まってます」