「嫌ですよ。
緊張するじゃないですか」
「じゃあ、どっか行け。
実家に帰るとか」
「ちょっと遠いんですよ、うち」
職場に通うのは、ちょっと、と言うと、
「一日二日、いいだろう。
それか、お前、休みを取って、俺と一緒に行くか?」
と言い出した。
「いやあのー。
人事部長さま。
ご存知でしょうが、まだ研修中なので、休めません」
と言うと、貴継は顔をしかめた。
「ともかく、友だちの家でも何処でもいいから行け」
何処へなりと出て行け、という口調だった。
いやいや、だから、此処は私の家なんだが。
「あのー、なんだかわかりませんが。
そんなにご心配なら、鍵を付け替えたらいいんじゃないですかね?」
ぽん、と手を打った貴継は、
「それもそうだな。
どうせ、俺と結婚して出て行くんだから、まあいいかと思ってたんだが、付け替えとくか」
と言い出す。
いや……いつ、それ、決定事項になったんですか、と思っていると、少し考えた貴継が言ってきた。
「いや、待て。
お前は莫迦だから、ピンポン鳴らされたら開けるだろう。
『あら、おにいさま』
とか言って」
緊張するじゃないですか」
「じゃあ、どっか行け。
実家に帰るとか」
「ちょっと遠いんですよ、うち」
職場に通うのは、ちょっと、と言うと、
「一日二日、いいだろう。
それか、お前、休みを取って、俺と一緒に行くか?」
と言い出した。
「いやあのー。
人事部長さま。
ご存知でしょうが、まだ研修中なので、休めません」
と言うと、貴継は顔をしかめた。
「ともかく、友だちの家でも何処でもいいから行け」
何処へなりと出て行け、という口調だった。
いやいや、だから、此処は私の家なんだが。
「あのー、なんだかわかりませんが。
そんなにご心配なら、鍵を付け替えたらいいんじゃないですかね?」
ぽん、と手を打った貴継は、
「それもそうだな。
どうせ、俺と結婚して出て行くんだから、まあいいかと思ってたんだが、付け替えとくか」
と言い出す。
いや……いつ、それ、決定事項になったんですか、と思っていると、少し考えた貴継が言ってきた。
「いや、待て。
お前は莫迦だから、ピンポン鳴らされたら開けるだろう。
『あら、おにいさま』
とか言って」



