ケダモノ、148円ナリ

 


 
 今日は、誰か重役の人と食べることになったから、先に食べてろと言われたので。

 明日実はコンビニ弁当を食べたあと、ソファに寝転がってテレビを見ていた。

 ふいに、ピンポーンと、チャイムが鳴る。

 おっと、こんな時間に誰だろう、と置き上がったのだが、すぐに鍵を開け、貴継が入ってきた。

 鍵持ってるのに、何故、鳴らしますか、と思っていると、貴継は、鞄をソファに置くなり、言ってきた。

「明日実!
 荷物をまとめて、この家を出ろっ」

「は?」

 此処は、今すぐ爆破されるぞっ、くらいの勢いだった。

「あ、あの。
 なんでですか?」

「明日、出張になったんだ」

 はあ……。

「名古屋なんだ。
 泊まりになる。

 だから、明日の朝、お前も俺と一緒に此処を出るぞ。

 誰かの家にでも泊めてもらえ」

「あ、あの、何故ですか」
ともう一度、問うと、

「……奴が来る」
と貴継は言う。

 怖いよっ。

 とりあえず、貴継さんの形相が怖い、と訳も分からず、明日実は側にあったクッションを抱き締めた。