ケダモノ、148円ナリ

「貴継ってさ。
 一見、人当たりはいいんだけど、猛獣みたいな奴だからね。
 本能のまま動いてるっていうか。

 計算高いかと思いきや、感情で突っ走ったりもするから。
 よく気をつけといてやってね」

「なんせ、ケダモノですからね」
と言うと、

「なにそれ」
と笑うので、つい、ケダモノ事件の顛末を話してしまった。

「はは。
 そうなの?

 貴継らしいね。
 っていうか、それで一目惚れだったのなら、入社試験のときとか、君をじっと物陰から偵察してたかもね」
と言われて、リアルに想像してしまい、ゾッとする。

「大和ー。
 行くぞー」
という声に顔を上げると、先輩らしき人が渡り廊下から手を振っていた。

「今、行きますー」
と答えながら、大和は空になった缶をゴミ箱に放り、

「じゃ、よろしくね」
と言って行ってしまった。