ケダモノ、148円ナリ

 華やかな香水や食べ物の香りを思い浮かべていたとき、大和が言ってきた。

「ところで、あずみんは貴継の事情、知ってるんだよね」

「はい。
 あの……貴継さんからも伺ったんですが。

 ちょっといろいろあったときに、そういえば、貴継さん、天野って名字だなと思って。

 入社試験のとき、会社の歴史も一応、目を通したので。
 創業者の方のお名前も見ましたから」
と言いながら、何故、此処でも、あずみんが定着している、と思っていた。

 犯人は栗原に違いない……。

 んー、と大和は頭を掻いて言う。

「まあ~、気持ちはわからなくもないんだけどさ。
 幸い、社長も貴継のことは買ってくれてるわけだから、おとなしくしといた方がいいと、俺は思うんだけどね。

 とは言っても、なにをしようとしてるのか、詳しくは知らないんだけど。
 あずみんは知ってる?」
と訊かれ、

「いえ……」
と答えると、うーん、とまた、唸ったあとで言ってくる。