ケダモノ、148円ナリ

「子供の回答みたいだな」

 うーむ。
 やはり、なにか具体的な職業名を言わなければ駄目か。

 ……お金持ってて、女性に手が早くて。

 女の人のおうちに寄生してて。

 今は、追い出されて家がない……、凄い、イケメン……。

「わかった!
 ホストの人ですねっ?」

「お前、俺が女にへりくだると思うのか」

 ……思いません。

 うーん、と考えていると、貴継は明日実の上から退いて言う。

「お茶でも淹れろ。
 お前をからかって疲れた」

 なんだ。
 冗談だったのか、とほっとした。

 まあ、お相手に不自由はしてないようだから、私なんかに、いちいち手は出さないよな。

 きっと本当に一晩泊まる宿が欲しいだけなんだろう。

 ……一宿一飯の恩義でなにかしてくれないだろうか。

 いや、一飯はないし、もう世話にはなったか、と思いながら、お茶を淹れに行こうとすると、
「明日実」
と呼びかけられた。

 そういえば、いつの間にか、呼び捨てだな、と思っていると、顔に出たらしく、貴継は、
「なんだ。
 俺のことも名前で呼んでいいぞ」
と言ってくる。