ケダモノ、148円ナリ

「なんで社長の家の中のことを知ってるんですか」
と言うと、

「小さいときは遊びに行ってたからだ」
と言う。

 あっ、誰か来たっ、と隣りの部署から誰か出て来たのを見て言ったときには、貴継は完全に手を離していて、何故か明日実は叱られていた。

「少し来るのが遅いんじゃないか?
 研修中なんだから、私よりも早く、一番乗りに来るくらいじゃないとな、佐野くん」

 いや、待て。
 お前が乗せて来てるんだろうが~っ、と呪う。

 貴方より早く来いと言うのなら、貴方を家の椅子に縛り付けてから出ますよ、とか思っている間に、また誰も居なくなった。

 訊くなら、今だ、と思い、さっきのことを訊いてみた。

「貴継さん、社長となにを話されてたんですか?」

「別に。
 今後のことだ」
と素っ気なく言ってくるので、

「社内で、なにかやらかすつもりなんですか?
 やめた方がいいと思いますが」
と言うと、貴継は少し真面目な顔で言ってきた。