ケダモノ、148円ナリ

「一目見ただけでわかることもありますよっ。
 私は、一目見たとき、貴方のことがわかりましたよ。

 とんでもないケダモノだってっ」

「わかってたんなら、声をかけるなっ」

「最初に声をかけてきたのは、貴方だし。
 婚約者に仕立て上げたときは、そこに居て、ちょうどよかったからですっ」

「お前は夢物語の中で生きてきた女だ。
 お前の婚約者は顕人みたいな王子様みたいな男じゃないと、許されないはずなんだ。

 つまり、俺は、ぱっと見られただけで、お前の中の王子にのし上がったんだっ」

「顔だけですよっ。
 見た目だけですっ。

 もう~っ。
 なに言ってんですかっ」

「うるさいっ。
 下僕っ」

 下僕っ!?

 そういや、さっきも言ったなっ、と今、気づく。

「お前のために、婚約者のふりをしてやってるんだっ。
 俺に黙って従ってればいいんだ、この下僕がっ」

「もうっ、出てってくださいっ、王様っ!」