ケダモノ、148円ナリ

 もう一度、明日実を引き倒した貴継が言う。

「……悪いことは言わない。
 顕人はやめておけ」

 すぐそこにある貴継の唇から発せられた言葉に、明日実は言った。

「何故ですか?」

「これを言うと卑怯になる」

「……おにいさまが私のおにいさまだってことですか?」

 え? という顔を貴継はした。

 携帯はまだ鳴っている。

「知っていました。
 おにいさまが私の実の兄なのだと」

 貴継は自分を見つめている。

「おじいさまと話してらっしゃるの、聞きましたから」

 携帯が鳴り止んだ。