ケダモノ、148円ナリ






 携帯が鳴ってる。

 明日実は反射で起きようとしたが、起きられなかった。

 誰かにキスされていたからだ。

「はっ、離してくださいーっ」

 まだ携帯は鳴っている。

 貴継が振り返り、舌打ちをしていた。

「電源落とすの忘れてたな」
と呟いている。

「なにしてるんですかっ。
 なんで、ボタンはずれてるんですかっ。

 やっぱり、ケダモノですねっ。

 満腹にさせて、普段呑まない酒を吞ませて、ベッドに運んでっ」

「お前が買ったんだろっ、ケダモノを148円でっ。

 っていうか、くそーっ。
 二十分も迷ったからっ」

 酔いが冷めたか、とわめいている。

「ちょっと可哀想かと思って、情けをかけたのが運の尽きだ。
 此処まで我慢した俺に免じて、今日はお前の貞操は諦めろ」

「なな、なに言ってるんですかっ。
 こんなの犯罪ですよ。
 泥酔させて」