ケダモノ、148円ナリ

 頭の上の肘掛けに貴継は腰掛けたようだ。

「愛してるよ、明日実」

「簡単にそういうこと言う人は嫌いです」
と目を開けないまま言うと、

「まだ起きてたのか」
と言う。

 起きてちゃ悪いのか、と思っていると、

「簡単には言ってない。
 お前にしか言ってない」
と言ってくる。

「しゃあしゃあと嘘つく人も嫌いです」

「嘘ついてんのはお前の方だ」

 嘘なんてついてません……と思ったが、もう言葉にはならなかった。

 眠くて。

 おかしいな。
 ワインなら、結構平気なのに。

 これはいかん、と思っていると、貴継が言ってきた。

「いや、ついてるよ。
 お前が好きなのは、おにいさまじゃなくて……

 俺だろ?」

 誰かが身体の下に手を差し入れ、抱き上げた。

 いや、誰かはわかっている。

 貴継だ。

 そう思ったが、意識は遠のいていった。