ケダモノ、148円ナリ

「あそこは保存状態もいいからな。
 だが、酒蔵で呑んだ方が美味いぞ。

 今度行こう」
と言われ、はい、と言ってしまう。

 明日実は寿司とともに、酒も口にしながら、呟いた。

「美味しいですね。
 スーパーに置いてあったのに」

「同じセリフを繰り返し出したが、大丈夫か?」

 酔ってるのか? と訊かれる。

 確かに。
 日本酒は普段呑まないので回りが早いような気がしている。

「なんでしょう。
 酒蔵に行く約束もしてしまいました。

 この間、キャンディさんに、また来ます、と言ってしまったばかりなのに」

「やっぱり、酔ってるな。
 うちの親父に言ったんだぞ、それ」

 そう指摘されたが、確かに酔っている明日実は構わず、
「あ、親父って言ってますね。
 キャンディさんがお父さんじゃなかったんですか?」
と笑う。

「でも、キャンディさんもお父様も同じですよ。
 あの二人は一心同体です。
 だから、あんな素晴らしい芸ができるんです」

「どうした。
 急に、熱弁をふるって」