『おにいさま』か。
彼女が自分の妹かもしれないと知ってからは、その呼び方が重くのしかかっていた。
甘えるように彼女が自分をそう呼ぶ声が好きだったのに。
「ところで、顕人。
鍵を返せ」
「だから、持ってないっ」
と言ったとき、ふと明日実がこちらを見た。
声が聞こえたのかもしれないと思う。
明日実は、何故、此処に? という顔を一瞬したが、すぐに、にこっ、と笑って手を振ってくる。
ああ、可愛い。
何度も思ったことだが。
なんでこれが俺のものじゃないんだろう。
こんな男と出会う前に、本家の地下牢にでも閉じ込めておけばよかった、と本気で思っていた。
彼女が自分の妹かもしれないと知ってからは、その呼び方が重くのしかかっていた。
甘えるように彼女が自分をそう呼ぶ声が好きだったのに。
「ところで、顕人。
鍵を返せ」
「だから、持ってないっ」
と言ったとき、ふと明日実がこちらを見た。
声が聞こえたのかもしれないと思う。
明日実は、何故、此処に? という顔を一瞬したが、すぐに、にこっ、と笑って手を振ってくる。
ああ、可愛い。
何度も思ったことだが。
なんでこれが俺のものじゃないんだろう。
こんな男と出会う前に、本家の地下牢にでも閉じ込めておけばよかった、と本気で思っていた。



