明日実が男と歩いてる。
あの貴継とかいう男と。
渡り廊下を歩く二人を顕人は窓から見ていた。
なんでそんなに楽しそうに笑ってるんだ、明日実っ!
「あ、あのー、稲本さん?」
と仕事で訪れていた明日実の会社の会議室で、横田大和が怯えたように話しかけてきた。
「ああ、すみません。
うちの従妹が居たもので」
「え? 従妹さんがうちの会社に居るんですか?」
あれです、と貴継と居る明日実を指差すと、
「えっ。
明日実ちゃん?
稲本さん、明日実ちゃんの従妹なんですか?」
へえー、と大和は感心したあとで、
「そういや、似てますねえ」
と言う。
……兄妹だからな、と思っていた。



