ケダモノ、148円ナリ

「そこからですか」

「いいじゃないか
 深夜のスーパー楽しいぞ。

 世界は俺のものって感じで」

 深夜、人気のないスーパーでカートを押しながら、高笑いしている貴継の姿が浮かんだ。

 なんだかんだで、結構、お手軽に人生を楽しめる人だな、と思う。

 喧嘩しててもすぐ忘れるし、一緒に暮らしていて、嫌な感じがしないというか……。

 ああっ。
 しまったっ。
 乗せられているっ、と動揺する。

 このまま物凄い勢いで流されていきそうな気がする、と思いながら、先程から疑問に思っていたことを訊いてみた。

「ところで、なんで私、薬指にイルカをはめてるんでしょう?」

「お前、今まで気づかなかったのか。
 了承して、はめてるもんだと思ってた」

 あと、イルカをはめてるっておかしくないか? と書類を直すように細かいことを言ってくる。

 そのまま、二人で並んで歩きながら、渡り廊下を歩いた。