ケダモノ、148円ナリ

「それはさておき、今日こそ、作るぞ。
 炙りサーモン」

 簡単に、さておかれてしまいましたよ、と思いながら、
「クレームブリュレじゃなかったんですか?」
と訊くと、

「それじゃ、おかずにならんだろうが」
と言われた。

「俺が帰るまで、ご飯作るの待ってろよ」

「えーっ。
 遅くなりませんっ?」

 残業はないようにしているとは言っても、遅くなることも多いのでそう問うと、

「なるかもな」
と言う。

「わかった。
 カップ麺を食べて待つことを許そう」

「……いや、貴方に許可されなくても食べますよ」

 まったくもう~、と文句を言ったが、待たないという選択肢はなかったせいか、笑っていた。

「知ってました?
 バーナーなくても、熱したスプーンで出来るんですよ、クレームブリュレ」

「出来ても使え。
 バーナーを使いたいがための料理だ。

 そして、今日は炙りサーモンだ」

 帰ったら買い物に行こうと言い出す。