ケダモノ、148円ナリ

 




 月曜日。

 昨日早く寝たのに、まだ眠いなーと思いながら、明日実はパソコンを打っていた。

 まだ職場に慣れたわけでもないのに、早くもダレて来たのだろうかな、と思いながら、欠伸を噛み殺す。

「うっ」
と明日実は声を上げた。

「どうした?」
とたまたま近くを通りかかった貴継が訊いてくる。

「部長、Mac様的には名前は生絵らしいです」

 Mac様は、よく変な変換をしてくるので。

 きっとパソコンの中に外国の人が住んでいて、一生懸命日本語を探して表示しているのだろう、といつも思っている。

 しかも、寝ぼけて、変換された文字をよく見ないまま、コピーしてしまったので、上から下までずらっと、

 生絵
 生絵
 生絵
 生絵
 生絵
 生絵
 生絵
 生絵
 …………

と並んでいる。

「……ホラーみたいだな」
と明日実のデスクに手をつき、上から画面を覗き込んで、貴継が言う。

 近い、近い。

 近いですーっ。

 っていうか、この人、いつも他の女性社員にもこんな風にしてるのかな、と不安に思う。