「ところで、鏡花って女は何者だ?」
「言いませんでしたか?
以前、此処に住んでらっしゃった私と顕人おにいさまの従姉です」
ふうん、と貴継は、どうでも良さそうに言う。
「プライベートでは女の名前は覚えないことにしてるんだ。
めんどくさいことによくなるから」
「……あの、私、誰だかわかりますか?」
思わず、そう訊いてしまうと、阿呆か、と言われた。
「自分の妻の名前は間違えないぞ」
そう言いながら、腰をつかんで抱き上げてくる。
子どもに高い高いをするように。
「妻じゃありませんってばっ」
と叫ぶが、聞いていない。
「だが、今日はずっと指輪やってたじゃないか」
「外すと文句言われるからですよ。
っていうか、もしや、これ、婚約指輪とか?」
と怯えて訊いてみると、
「これが婚約指輪とか、お前の親に失礼だし、顕人にも笑われるだろう?」
と言ってくる。
「そうですか?
私は結構気に入ってるんですけど」
これじゃ、いけませんか? と訊いてみた。
「言いませんでしたか?
以前、此処に住んでらっしゃった私と顕人おにいさまの従姉です」
ふうん、と貴継は、どうでも良さそうに言う。
「プライベートでは女の名前は覚えないことにしてるんだ。
めんどくさいことによくなるから」
「……あの、私、誰だかわかりますか?」
思わず、そう訊いてしまうと、阿呆か、と言われた。
「自分の妻の名前は間違えないぞ」
そう言いながら、腰をつかんで抱き上げてくる。
子どもに高い高いをするように。
「妻じゃありませんってばっ」
と叫ぶが、聞いていない。
「だが、今日はずっと指輪やってたじゃないか」
「外すと文句言われるからですよ。
っていうか、もしや、これ、婚約指輪とか?」
と怯えて訊いてみると、
「これが婚約指輪とか、お前の親に失礼だし、顕人にも笑われるだろう?」
と言ってくる。
「そうですか?
私は結構気に入ってるんですけど」
これじゃ、いけませんか? と訊いてみた。



