まあ、今のところ大丈夫かな。
顕人を見送ったあと、鏡花は携帯を手にする。
夫も子どもたちについて行ってしまった。
昨日は、明日実の婚約者とやらと話しただけで終わってしまったから、一応、明日実本人にも少し警告しておかねば、と思っていた。
何故、顕人が、明日実になにも言わなかったのか知らない。
ずっと明日実が好きだったくせに、何故、自分と付き合っていたのかも知らない。
結局、自分が勝手に見合いして結婚してしまったことで、顕人とは終わってしまったが。
あのとき、彼はちょっとほっとしていたように見えた。
最初は勢いでしてしまった結婚でも、上手く転がることもあるのよ、顕人。
早まらないでよ、と思う。
なにか今の顕人は危なっかしい感じがして、しょうがない。
特に、明日実を思い切ったつもりになっているのが、よろしくないと思っていた。
いっそ、告白してみればいいのに。
明日実は、バッサリ振ってくれることだろう。



