ケダモノ、148円ナリ

 



 帰りは、玄関まで鏡花が送ってきてくれた。

 子どもたちは犬の散歩ついでに、一緒に駅まで行くと言って準備している。

 それを微笑ましく見ていると、鏡花が小声で言ってきた。

「心配しなくても、どっちもあんたの子どもじゃないからね」

 わかってるよ、と苦笑する。

「顕人。
 幸せは何処から転がり込んでくるからわからないもんよ。

 私たちだって、見合いだったし、最初はおとなしくてつまらなさそうな人だなあって思ってたけど。

 今では上手くいってるし、この人で良かったって思ってるわ。

 ねえ、あなた」
と後ろを見る。

 ……い、いつから居ましたか、と思ったのだが、孝司は笑顔で頷いていた。

 怖いな、女って。
 っていうか、度胸が据わってるっていうか。

 明日実も変なところで、肝が太いしな、と間の抜けた、もしかしたら、妹かもしれない女を思い出し、ちょっと笑った。