玄関を出た貴継は顕人に言った。
「あの指輪、相当したろう。
明日実は金銭感覚がおかしいのか、よくわかっていないようだが。
就職祝いにポンとやるようなものではないようだが」
顕人は黙っている。
「結婚相手への指輪のついでにあれを買ったんじゃなくて、逆じゃないのか?
明日実の指輪を買うついでに、そりゃ、結婚相手にも買わなきゃなって感じだったんじゃないのか?」
「……彼女への指輪は買ってない。
婚約指輪も結婚指輪も母親と二人が見に行って決めたそうだ。
俺は金を振り込んだだけだよ」
と顕人は言う。
「あんた、なんで、明日実になにも言わずに、他の女と結婚するんだ?」
あの指輪を見てから、ずっと疑問に思っていたことを訊いてみた。
「結婚は親が勝手に決めたことだ。
逆らわなかったのは……
俺は明日実の、実の兄だからだ」
「今、なんか言ったか?」
「あの指輪、相当したろう。
明日実は金銭感覚がおかしいのか、よくわかっていないようだが。
就職祝いにポンとやるようなものではないようだが」
顕人は黙っている。
「結婚相手への指輪のついでにあれを買ったんじゃなくて、逆じゃないのか?
明日実の指輪を買うついでに、そりゃ、結婚相手にも買わなきゃなって感じだったんじゃないのか?」
「……彼女への指輪は買ってない。
婚約指輪も結婚指輪も母親と二人が見に行って決めたそうだ。
俺は金を振り込んだだけだよ」
と顕人は言う。
「あんた、なんで、明日実になにも言わずに、他の女と結婚するんだ?」
あの指輪を見てから、ずっと疑問に思っていたことを訊いてみた。
「結婚は親が勝手に決めたことだ。
逆らわなかったのは……
俺は明日実の、実の兄だからだ」
「今、なんか言ったか?」



