ケダモノ、148円ナリ

「あまつさえ、人事部長にするなんて。
 社長が君に気を使ってやっていることなんだろうが。

 ボンクラの息子はボンクラに決まっとる」

 ボンクラ、という言葉に、ちょっと間の抜けたアシカを操る、貴継そっくりのお父さんの顔が浮かんだ。

 ほんわかした感じの人だが、あのキャンディさんにあそこまでの芸を仕込むなんて、優秀なんじゃないだろうか。

 ……飼育員としては。

「ともかく、私は君を……」

「おじいちゃん、開けてー」
と孫がガチャガチャのカプセルを持ってくる。

「ともかく、私は君を認めな……。

 堅いな」

 黒崎は、孫の持ってきたカプセルを引っ張りながら、なおも文句を言っていた。

「ともかく、私はそんな、いつ裏切るかかわらないような男を人事部長とは認めな……

 開かないぞ、雅哉(まさや)」

「貸してください」
と明日実がそれを取る。