「黒崎部長。
これは、たまたまうちの新入社員な私の婚約者です。
内緒ですが」
と誰より話してはまずそうな黒崎に、貴継は言っていた。
部長だったのか、と思っていると、黒崎は、一瞬、へえ、という顔をしたが、すぐにまた嫌味を言い始める。
「まったく、社長も物好きな。
君をうちの会社に入れるなどと」
「あのー、黒崎部長」
と明日実が口を挟むと、なんだね? と黒崎はこちらを見る。
「部長は何故、そんなに貴継さんを嫌うんですか?」
こんな若造が部長というのが気に入らないのだろうか、と思ったのだが、黒崎は少し驚いたように言ってきた。
「あんた婚約者なら知ってるだろう。
この男は、経営に失敗して、追い出された創業者一族のボンボンだぞ」
……知りませんでした。
そうか。
お父様が追い出された会社って、うちの会社だったのか。
そりゃ、社長、心が広いな、と思っていると、
「うちの会社に入って、機密事項でも盗み出し、転覆させんと狙っているに違いないのに」
とタラタラと自説を述べ始める黒崎の言葉に、
「いや、自分の入った会社転覆させてどうすんだ」
と貴継が呟いていた。
これは、たまたまうちの新入社員な私の婚約者です。
内緒ですが」
と誰より話してはまずそうな黒崎に、貴継は言っていた。
部長だったのか、と思っていると、黒崎は、一瞬、へえ、という顔をしたが、すぐにまた嫌味を言い始める。
「まったく、社長も物好きな。
君をうちの会社に入れるなどと」
「あのー、黒崎部長」
と明日実が口を挟むと、なんだね? と黒崎はこちらを見る。
「部長は何故、そんなに貴継さんを嫌うんですか?」
こんな若造が部長というのが気に入らないのだろうか、と思ったのだが、黒崎は少し驚いたように言ってきた。
「あんた婚約者なら知ってるだろう。
この男は、経営に失敗して、追い出された創業者一族のボンボンだぞ」
……知りませんでした。
そうか。
お父様が追い出された会社って、うちの会社だったのか。
そりゃ、社長、心が広いな、と思っていると、
「うちの会社に入って、機密事項でも盗み出し、転覆させんと狙っているに違いないのに」
とタラタラと自説を述べ始める黒崎の言葉に、
「いや、自分の入った会社転覆させてどうすんだ」
と貴継が呟いていた。



