「お嬢さん」
と飼育員が言ってきた。
「此処、イルカのリングが人気なんだよ」
下で買ってもらうといい、と言う。
そういえば、売店で売ってたな、と思っていると、貴継はそこで初めて飼育員の方を見、
「あんた、アシカの係じゃないのか」
と文句をつけ始めた。
「いや、別にアシカの係だからって、アシカのグッズを売らなきゃいけないって法はないだろ。
イルカの方が可愛いし」
「じゃあ、なんで、アシカの飼育員やってんだ」
「好きだから、アシカ。
ハンコ押してるよりは楽しいぞ、貴継」
お前は物好きだなあ、と言っている。
やっぱりか。
「物好きはあんただ。
いや、俺はあんたなんぞ知らん。
俺の父親はボンクラという病にかかって、クーデターを起こされ、会社を乗っ取られたときに、離婚されて、死んだんだ」
お父さん、と貴継はアシカに向かって話しかけている。
こちらを手で示し、
「ふつつかな明日実ですが」
と言う。
「あの、明日実の枕詞がふつつかになっちゃってますけど」
と言うと、貴継の父は笑っていた。
と飼育員が言ってきた。
「此処、イルカのリングが人気なんだよ」
下で買ってもらうといい、と言う。
そういえば、売店で売ってたな、と思っていると、貴継はそこで初めて飼育員の方を見、
「あんた、アシカの係じゃないのか」
と文句をつけ始めた。
「いや、別にアシカの係だからって、アシカのグッズを売らなきゃいけないって法はないだろ。
イルカの方が可愛いし」
「じゃあ、なんで、アシカの飼育員やってんだ」
「好きだから、アシカ。
ハンコ押してるよりは楽しいぞ、貴継」
お前は物好きだなあ、と言っている。
やっぱりか。
「物好きはあんただ。
いや、俺はあんたなんぞ知らん。
俺の父親はボンクラという病にかかって、クーデターを起こされ、会社を乗っ取られたときに、離婚されて、死んだんだ」
お父さん、と貴継はアシカに向かって話しかけている。
こちらを手で示し、
「ふつつかな明日実ですが」
と言う。
「あの、明日実の枕詞がふつつかになっちゃってますけど」
と言うと、貴継の父は笑っていた。



