この人には、ああいう人の方が似合うよな、と思っている間に、貴継は明日実をカワウソの前のベンチに置いて、居なくなってしまった。
薄暗い中に、ひとり取り残され、明日実は、ぽつんとベンチに座っていた。
目の前で子ども達がガラスに張り付き、カワウソを眺めている。
「かわいー」
と言うちっちゃな子ども達に笑う。
こっちから見たら、君らも可愛いんだが、と思いながら。
そのうち、貴継が戻ってきた。
明日実の目の前に立ち、
「よし、誘拐されなかったな」
と言う。
「いや……子どもじゃないんですから」
「そろそろアシカのショーだ。
行こう」
と明日実の手を引き、歩き出す。
「アシカ、可愛いですよね」
と笑って言ったのだが、貴継は前を見たまま、大真面目な顔で、
「そうだな」
と言っただけだった。
薄暗い中に、ひとり取り残され、明日実は、ぽつんとベンチに座っていた。
目の前で子ども達がガラスに張り付き、カワウソを眺めている。
「かわいー」
と言うちっちゃな子ども達に笑う。
こっちから見たら、君らも可愛いんだが、と思いながら。
そのうち、貴継が戻ってきた。
明日実の目の前に立ち、
「よし、誘拐されなかったな」
と言う。
「いや……子どもじゃないんですから」
「そろそろアシカのショーだ。
行こう」
と明日実の手を引き、歩き出す。
「アシカ、可愛いですよね」
と笑って言ったのだが、貴継は前を見たまま、大真面目な顔で、
「そうだな」
と言っただけだった。



