貴継の車は、少し離れた海の近くの水族館に向かった。
白と青を基調にした大きな建物が鮮やかな昼の海に映えている。
絵本の中のように美しい色彩の巨大な水槽を眺めながら、明日実は、なんだかこれ、デートみたいだな、と思っていた。
そういえば、デートらしきデートはしたことないし、顕人おにいさまとこういうところに来るときは、大抵、他の親族も一緒だったし。
楽しいけど、ちょっと緊張するかな、と思いながら、海底のドームを歩いているような通路を歩いていたとき、貴継が、
「ちょっとその先でカワウソを見てろ」
と言い出した。
よく知ってるな。
この先にカワウソが居るなんて。
水族館の中って何処も迷いやすいのに。
……よく来るのかな。
綺麗な女の人とかと、と想像したとき、姉だと聞かされたのに、あの遠目に見たゴージャスな美女が思い浮かんでしまう。



