マイノリティーな彼との恋愛法



「こちらが、泉栄不動産管理センターで私がお世話になっている先輩の、春野ひばりさん」

「は、初めまして……」


寒い外とは大違いのぽかぽかに暖められた静かなレストランの一角で、私はかしこまりながら挨拶をする。

隣でテキパキと紹介してくれているのは、他でもない風花ちゃんである。
しっかり髪の毛を巻いて、私じゃ到底手が出せないようなパステルピンクのツイードワンピースを着ている。
会社よりもよそ行きのファッションだ。


そしてテーブルを挟んで向こう側には、風花ちゃんが想いを寄せる彼・梶山秀行さん(私の予想ではほぼ両思い)がニコニコと微笑んでいた。
秀行さんも、自分の隣に座っているもう1人の男性を私に紹介してくれた。


「こちらは、僕が働く測量設計事務所と同じフロアにある、多田建築設計事務所の柏木昴」

「こんばんは、初めまして」


柏木さんというらしいその人が、ふわりと笑う。

クラッと来そうになった脳みそをなんとか奮い起こして微笑み返す。


こ、こ、この柏木昴という男…………!

とんでもなく、イケメンなんですけどおおおおお!!

これは私の心の叫び……というより咆哮みたいな?


滅多にお目にかかれないであろう、キリッとした二重瞼の目力に負けない容姿。もう雑誌とかでスーツ着てガッツリ決めてそうなスタイル。

彼が着ているスーツも、どことなくツヤがあって高級っぽい光沢がある。
ぜっっったい高いやつ!ブランド品!


ガン見しちゃいけないと思いつつも、その素晴らしい端麗な容姿についつい見とれてしまう。




なに?これは夢?
それともパーフェクトなリッチマンが現れてくれたら、なんて祈ってたから?
それで現実になるなんて、こんなのってアリ!?