マイノリティーな彼との恋愛法



パチッとテレビを消して、チー鱈の袋を持ってテーブルに移動した。
今日の帰りに買ったファッション雑誌に目を通す。
最近年下のカレと結婚した人気モデルの特集記事が組まれていて、インタビューが載っていた。

ちょっとヌーディな雰囲気のモデルの写真と、カレについて語る文章がツラツラと羅列している。


『年下男子の魅力に迫る!年下だからこそ、年下にしかない“ ココがスキ”』


デカデカと特集ページのトップに印字されたその文章に、ぽわんと神宮寺くんの顔が思い浮かんだ。
……ただし、無気力な目をした、やる気のない顔の彼だけど。


あの男もれっきとした年下男子だ。
だけど魅力らしい魅力なんて見当たらないんだけど。


チー鱈をモグモグ噛んで、それをビールで流し込む。
視線は雑誌に落としたまま。


『年下男子の魅力・その1。可愛さ、無邪気さ

ふとした時に見せる、少年のような笑顔。
そして、ちょっかいを出してきたりする時のいたずらっ子みたいな悪巧みした笑顔。
年下だけど、一生懸命慰めようとしてくれている時の優しい笑顔。
えっ、こんなに可愛く、無邪気に笑うんだって思うとキュンとします。』


人気モデルのおめでたい頭の中をのぞき見た気がして、呆れてため息が漏れる。

笑顔……ねぇ。

神宮寺くんの笑った顔は、そういえば目が三角になって、そして妙に人懐っこさがあったっけ。
だけど、可愛いとか無邪気とかそんなの1ミリも感じなかったけど。


『年下男子の魅力・その2。可愛さからの、真剣モード

いわゆるギャップってやつです。
普段は可愛いのに、いざという時や大事な時にビシッと決めてくるとクラッと来ちゃいます。
年下男子に頭ポンポンされると、もう本当にヤバいですよ。一瞬にして好きになっちゃいます。』


……ったく、おめでたいなあ、このモデル。
どうして頭をポンポンされただけで恋に落ちるわけ?
頭についた変なスイッチとか、さりげなく押されてるんじゃないの。


『年下男子の魅力・その3。若さゆえの情熱が熱苦しいけどキライじゃない

もう、四六時中、暇さえあれば好きって言われますね。キスやハグは当たり前です。しないと不安になるって言われます。
鬱陶しい!って言うんですけど、実はそんなに嫌じゃなかったりして(笑)
愛情表現が激しくて、その情熱にほだされます。』


熱苦しいのはどっちだ、おいおい。
この女も相当熱苦しいじゃないの。

私の思考が限界に達したので、パタンと雑誌を閉じた。