マイノリティーな彼との恋愛法



「梶山さんを介して春野さんの後輩の子から、風邪引いて早退したって聞きました。……というか、あれは確信犯みたいでしたけど」

「ふ、風花ちゃんめ〜!」

「知らないですか、外は大雪ですよ」

「うそ!?寝てたから知らなかった……」


風花ちゃんの策略にしっかり乗った神宮寺くんとハメられた私。
そりゃ会いたいって思ってたけど、こんな形は酷すぎる。ちゃんとメイクして綺麗な格好で会いたかったんですけど。

さっきドアが開いた時に確かに雪は吹き込んできたけれど、午後から降り始めてずんずん積もったのだろうか。


「公共機関は止まってますので、もう俺は帰れません」

「……...…………は!?」

「まあ、帰るつもりはありませんが」


信じられないセリフをしれっと吐いたヤツの顔をまじまじと見つめる。
メガネのない彼の目は細められ、おそらく凝らして私の姿を見ようとしているに違いない。


勘弁してよ〜!

視線から逃げようと身をよじったら、足元に転がしていたポカリのペットボトルにつまづいた。

「おわっ!」と色気ゼロの声を上げて体勢を崩したものの、神宮寺くんに体を支えられて倒れずに済んだ。


「……ちょっと落ち着いてもらえませんか?」

「お、お、落ち着けるわけないでしょ!?」


スッピンだっつーの!


「仕事がようやくひと段落したので会いに来ました」

「何しに来たの!」

「好きだと伝えに」

「━━━━━えっ!?」


頭の中が真っ白になった。