マイノリティーな彼との恋愛法



そうだ、こんな時こそ親友の渚がいるではないか!

彼女にだったらなんでも話せるし、私の女子力の低さも知っているし、ガンガン突っ込んでくれるので頼りになる。
なによりも、彼女には今現在恋人がいる。

悩める子羊(私が子羊かどうかは置いておいて)を助けてくれるんじゃなかろうか。


……と、思い立ったら吉日ということで、お昼休みにラインしたら即座に『OK!』の二文字が返ってきた。
休みの前日の夜は彼と過ごすか私と飲むか、彼女にとっては二択らしいのだ。
今日はどうやら私が先に約束を取り付けたようだ。

すみません、彼氏さん。


吸収率の悪いスポンジなりに頑張り、だんだん仕事を覚えてきた風花ちゃんは、この頃は私語も少しずつ減ってきた。
そのおかげで集中力が増し、さらには前に任せていた仕事も徐々に彼女に戻している。

まだまだ凡ミスは無くならないけれど、大きな進歩。


隣で真剣な表情で仕事に励む彼女をチラッと見ていると、ふとこちらを振り返ってきた。


「今日は定時で帰りたいです、私っ」

「自分の仕事が終わったら帰ってもいいのよ。何か用事?あ、もしかしてデート?」

「デートじゃないですっ。手編みのマフラーがラストスパートなんです!明後日までなんとか間に合わせなきゃ」

「ん、明後日?」


明日は祝日、明後日は土曜日。
だから今日は3連休前の仕事なのでちょっと気が楽だった。

明後日ってなんだっけ、とそのへんに置いていた卓上カレンダーに手を伸ばそうとしたら、それより先に風花ちゃんに遮られた。


「明後日の土曜日、なんの日だと思ってるんですか?クリスマスイブですよ!?」

「えっ!?うそ!」


完全に頭から抜けて忘れていたイベント。
もうここ最近忙しくて、カレンダーを見てはいたけれど「この日までにこの案件を終わらせる」とか「この日に送金を済ませる」とか、そういう仕事目線でしか捉えていなかった。

食い入るようにカレンダーを見つめたら、確かに今日は22日で、明日が23日の祝日、そして明後日はクリスマスイブだった。


そうか。今年のクリスマスイブは土曜日なのか……。

ん?土曜日?
土曜日って確か━━━━━。