“真心”
偽りのない、嘘のない人生を歩みますように。
お母さんとお父さんがそう願ってふたりでひとつ、とつけた私たちの名前。
だけど真がいなくなった私は、このふたりでひとつの名前すらも好きになれなくて。
そんなとき、あるTVで出ていた女優さんの名前が、きれいだと思ったんだ。
『私の“栞”というこの名前の由来は、どんな道もまっすぐ、正しい道を示していく。そんな意味があるんです。』
きっと、栞とつけた人全員がこの由来なわけではない。
そんなこと子供の私でも理解していた。だけど、
『…きれい』
一人でも、ちゃんと立っている。
その名前に、その由来に、かっこいいと思ったんだ。
生きている中で私が“栞”になるのは無理なのはわかっていた。
ずっと心で、それは真がいないと成り立たない。そんなことはずっとわかっていた。
だけど私の中で“栞”というのは、憧れそのものだった。

