もしも、もしも、ね。



目の前を走る黄色い背中を追いかける。

望果と准君のおかげで、かなり3位と4位の差は縮まっていて。



―――せめて3位になりたい・・・!!



もっと。もっと。

もっと早く。少しでも早く。


唇を噛みしめて、私は全力で足に力を込めた。


ゆっくり、視界から消えていく黄色いはちまき。

だからって抜いたとは気が付かなくて。

私の視界に入るのは、おそろいの赤いはちまきをつけた




ユウ。




出来るかな。 走りながら不意に不安になる。

だけど、私はユウを信じられるよね。

二人三脚を思い出して、私は歯を食いしばった。

不安になったら落としちゃうよ。

信じよう。ユウを。私を。




出来る。


出来る。







出来る!!







バトンゾーンを走り出すユウの背中を追いかける。

後ろに差し出される手。

そこにバトンを載せると、ユウの手がぐっとそれを掴んだ。



確認、したつもり。



早すぎてよくわかんないけど。

私はすっと手を離した。