もしも、もしも、ね。



「駄目じゃない・・・ッ」



私もゆっくりとユウの背に手を回した。

細く震えた私の声は、ユウの体に吸い込まれてくぐもっていたけれど。

ユウが改めて私の体を痛いくらいぎゅっと抱きしめるから、

伝わったんだって分かった。



「ユウ、ごめんね。

私、好きになっちゃいけないって分かってたのに、

こんなのずるいって知ってたのに・・・ッ。

気付いたら、どうしようもないくらい、ユウでいっぱいだったの。」

「うん。」

「意地悪で、無駄にモテて、クールとか言われるのに全然クールじゃなくて、

頭だって良くて、格好良くて、ユウみたいの今でもタイプじゃないのに。」



お前な、とユウが苦笑する。



「でもね。



それでも、私、



ユウが、



好き・・・大好き・・・ッ」



やっと言えた一言は、私の今までの人生で一番心から伝えた一番の真実だった。

頭の後ろに回された手が、ぎゅっとあたしを肩に押し付けて、

押し込められるようにユウの中で彼の体温を知る。

ユウは、宝物を見つけて安堵したときのように長く長く息をついて、

そして私の頭を小さくなでると、

低く囁いた。



「俺も。」