もしも、もしも、ね。



「で、やっと俺たち3人はお互いの関係と、暁里との関係を把握したんだ。

―――それまでの裕哉がマジ怖くてなぁ。俺殺されるかと思ったぜ。

何かしたかと思ったら、暁里と俺の和解が伝わってねぇんだもん。」



なんで俺と和解したの言ってねぇんだよ。

そう言って陸斗は冗談めかして笑った。

だってユウに言えるような状態じゃなかったんだもん!・・・とは言えない。



「そんなこんなしてたら、突然俺の携帯が鳴ってなぁ?」

「―――まさか。」

「そ。それでお前からの電話になるわけ。」

「じゃぁもしかして!!」



段々血の気が引く。

そして、理解した瞬間恥ずかしくて顔から火が出そうになった。

陸斗はにやりと笑って、悪魔の一言。



「お前の会話は、ぜーんぶ裕哉にも筒抜けだぜ?」



う・・・うっそぉぉぉぉぉぉぉッ!!!

じゃぁ、私がユウを好きなことも。

告白しようとしてたことも。

恵理奈さんを彼女と誤解してたことも。

―――つーか、相談を元彼に持ちかけたことも。

全部全部・・・



「ま、後は二人で楽しめ。」

「お邪魔虫は退散しまーす!」

「ちょ、ちょっと!!」



あの悪魔兄妹!!

私の抗議むなしく、パタンとリビングの扉は閉じられた。

あぁ・・・・どうしてくれよう、この状況!!



「暁里。」



名前を呼ばれて、体がびくんと大きく跳ねた。