「―――・・・ってちょっと待て。」
ぎゅっと目を閉じていた私ははたと思い立って体を持ち上げた。
私、今とんでもないことに気付いた?
「ケーキ、いつ渡せばいいわけ?」
だってケーキ持ったまま一日遊ぶの?
かと言って朝一番に渡せないし。
コインロッカー?え?なまものを?不衛生すぎない?
私は両手を両頬に当てもくもくと考える。
そして結論―――やっぱり持っていよう。手で。
ちゃんと入れ方と持ち方を正しくすればぐしゃぐしゃになることはないだろう・・・たぶん。
ほ、ほら、ホールケーキじゃなくてロールケーキだし!
私は必死に自分に言い訳を繰り返す。
大丈夫。大丈夫・・・たぶん、大丈夫。
頑張った作品が崩れる一抹の不安は拭えないものの、
服とか靴とか髪型とか鞄とか持ち物とか、私にはまだまだ考えなきゃいけないものはいっぱいあったので、
とにかく支度をすることにした。
落ち着かない私は就寝2時―――しかも緊張で眠れやしない。
これでいいのか、私。