この度は『親友の死、コトバは罪より重い(アメリカイヌホオズキ)』を最後まで読んで下さりありがとうございます。

この物語は『親友 コトバは罪より重い』のリメイク版であり前作では書けなかった内容を書き加え登場人物も増やし誰が怪しくて誰が犯人なのか困惑させる事が目的でした。


主に翔子が物語の主役的な立場にいますが、私がこの物語で主張していたのは“中学生では簡単に事件を解決する事は出来ない”という事実です。


ドラマや漫画などでは年齢関係無しに事件を解決したりしますが現実は甘くありません。


文章の中で何度も翔子は「何も出来なかった」と思っていました。


親友、彼女、友達、彼氏

友情、愛情、嫉妬、復讐


物語には色んな物が交わっていました。


そして最後翔子は「救えない」という事にも気づくんです。彼女だけが全てを終わらせようとした人物です。

終わらせる事が一番良い方法だと彼女なりに考えての行動でしたが、終わらせたとしても誰も救えていないのです。


翔子自身も、沙耶の彼氏も。


沙耶の彼氏は復讐した事に関しては後悔もしてませんし反省もしていません。だけど自首は性に合わないから翔子に自分を売り警察に捕まる道を選びました。


ここで問題となるのは彼は最後、翔子に謝ってましたが本当に悪いと思っているでしょうか?

彼からしてみれば翔子は“復讐の邪魔をしようとした人”になるんです。だからどんな気持ちだったのかは読者の皆様に委ねます。





前作では沙耶を殺した理由を明白にはしていなかったので今回は明白にしようと決めました。

梶谷朱が言っていた『くだらない嫉妬』がどんなモノだったのかを。


尾崎りなは殺害現場の目撃者というだけで彼に思い入れはありません。

彼に好意を持っていたのは自ら手を下した二人の犯人だけです。


二人とも彼が好きでしたが彼に対する想いは違いました。

一人目は、殺害以外の事に関しては、ありがちな嫉妬だと思いながら書きました。恋をしたけど失恋した。納得するカップル像だけど次第に嫉妬してしまう。

二人目は、初めから沙耶を嫌っている設定にしてました。そして、異常な愛と言うべきでしょうか。幼馴染みだからこそ、小さな頃から知ってるからこそ、変わってしまった彼を元に戻したくて彼を変えた沙耶を憎むという…。


そんな理解しがたい理由で沙耶を殺した事を梶谷朱は旧図書室で聞いてしまい二人のやり方を『くだらない嫉妬』と結論付けたのです。





私は、この物語は「誰も救えない」と書きました。梶谷朱はどうなのか?と思う人もいるかと思いますが彼女も救われていません。

彼女は転校する日にクラスメイトに爆弾を落としますが彼女はそれで全てが解決するとも思っていませんし、沙耶がいない現実を受け入れ難いと実は今でも思っているのです。

だから、現実逃避でミッション系の全寮制の高校へ進路を変えました。けして翔子と会わないためではありません。





イヤミスとまではいきませんが後味は悪く書きたかったんです。


敢えて残してる謎もあります。


ちなみに沙耶の彼氏が誰なのかは明かすつもりは全くありません。


それでは、あとがき&解説も最後まで読んで下さり誠にありがとうございました。


花瑩