私は、ただ元クラスメイトの中に眠る種に水をあげただけ。

それを開花させ、行動を移したのは元クラスメイトの意思であり私は関係ない


「ところで、わざわざ会ってまで話したい事って何なの?」


いつも彼とは電話かメールでやり取りをしていた。


それなのに急に会って話したいと言ってきたので彼には悪いと思ったけれど、私が住んでいる近くのカフェ間で足を運んでもらった。


「日比野翔子って覚えてるか?」


「覚えてるけど、彼女がどうかしたの?」


日比野翔子とは、一年の時に何度か席替えで席が隣になる事があったから話す事もそれなりにあった。


普段、翔子は内海と仲良くしてたから


「日比野の奴、桜坂高校に受験校を変更したんだ」


「どうして?」


桜坂高校は私と沙耶が一緒に合格しようね…と約束していた高校。


翔子は共学の公立高校に受験するはずだったんじゃないの?

お母さんの母校だからって言っていた気がする。


「多分、梶谷に会うためだ」


「私に?」


「日比野は傍観者だったが、何とかして終わらそうとしてる。お前と会って」


「…そう」


終わらせるって、どうやって翔子は終わらせるつもりなんだろ?


一度、強く巡るように張り詰めた糸は中々切れる事はない。


あのクラスは今、特殊状況下に置かれているのだから。


「話はそれだけ?」


「まぁな。久しぶりに顔見たかったって理由もあるけど」


「はぁ。そんな事を言ってたら怒られるよ?」


「梶谷なら問題ないだろ」


「あっそ」


溜め息が出そうになる

私は浮気相手にはなりたくない。


「そうだ…ちなみに、加藤の次は天城になった」


「まさか、天城恭子が標的?」


「あぁ…でも受験に専念しないといけなくなってからは嫌がらせはなくなった。それなりにストレス発散で何かしらする奴もいたりするけどな」


「そうなんだ…」


本当に元クラスメイトは馬鹿で単純