同日 十六時三十分

* *

遅かった…

尾崎さんに会いに行こうとしたら


「尾崎さん…」


尾崎さんの家には救急車が来ていて、頭から血を流した尾崎さんがストレッチャーで運ばれていった。


「りな!しっかりして、りな!!」


尾崎さんのお母さんが涙を流し尾崎さんの名前を呼びながら一緒に救急車に入っていくわ、


何がどうなっているのか、わかったけれど、どうしてこんな事になったの?


野次馬達の声がうるさい。


「ベランダから落ちたらしいわよ」


「あら、怖いわねぇ。事故かしら?」


「最近引きこもっていたらしいから自殺かもしれないわよ」


御近所さんの話を耳にして私は唇を噛み締めた


尾崎さんは助かるの?


真っ青な尾崎さん。

頭から血を流している尾崎さん。

まるで沙耶が亡くなった時と同じ。


警察も来て現場検証が始まった。


もっと早く行動すれば良かった。


でも私ができる事はたかがしれている。


会いに行っても会えなくて話せない確率の方が高い事は承知の上だった。


それでも解決の糸口を見つけたかった。


「これが、復讐?」


これが梶谷さんが望んでいた事?

親友を殺された復讐?

梶谷さんが尾崎さんを追い詰めたの?


いくら親友である沙耶を殺されたからって、命が散らせる事が許せるわけないじゃない!!