卒業式を明日に控えた今日。

俺は、ある夢を見ていた。





「・・・ん?」

周りを見ると、そこにはブランコと滑り台、そして芝生が広がっている。

ああ、ここは。
小さいころ、茉依とよく遊んだ公園。

「澄にいー!!」

後ろから、いつもよりハイテンションな声が聞こえた。

久しぶりに聞いた茉依の声に、俺の頬は緩む。

振り向くと、茉依がこちらに向かって走ってきた。

「はー...はー...はー...」

猛ダッシュをしてきたからか、肩で息をしていた。

「大丈夫かよ...」

笑いながら、俺は茉依の背中をさすってやった。

すると突然、落ち着いてきたらしい茉依が、急に俺の腕をぎゅっと掴んだ。

ドキッン—————————

「・・・茉依っ?」

「あっ。あのさ...あのね。」

そこで言葉を止めて、俺の顔をじっと見た。

顔の距離が近かったが、なんだか近くにいる感じはしなかった。


「あのね、澄にい...

 私、澄にいのことが好きだよ。大好きなんだよ。
 小さいころからずっと、本当は大好きで大好きで仕方なかったんだ。
 
 私の...初恋なんだよ。」


泣きながら、そう言う茉依はかわいくて。

俺は思わず抱きしめてしまいそうになった。


「茉依...。
 俺は、俺はっ...!」






「はっ!?」

俺はそこで、目が醒めた。