髪を金色に染めた。

バイト先の先輩が一緒に染めようと言ったことがきっかけだったが、意外に似合うと好評だった。


外見ばかり強がるカタツムリ。

変わったのは俺のほんの一部分だけで、まだ俺は何も変わってはいない。


弱虫なまま。



バイトが終わると、先輩や友達と出かけた。

高校は、休んでも遅刻をしてもあまりうるさくなかった。

そういう生徒が多かったからだろう。


週に3度は、先輩の乗る車高の低い車で走りに出かけた。


今日も、タバコの匂いのする車の中で、俺は大声で歌っていた。


俺は窓を開け、夜空へ向かって歌った。




その時だった。