嬉しそうだな…。

「そしたら、後ろから突然彼が現れてぎゅっと…」

「抱き…締めたんですか?」

「私も抱き締められたと思ったわ…。
でも、違った…」

「違ったんですか?」

「ええ…」

びっくりした…。

北田さんを好きだったのかと思った…。

「じゃあ…何だったんですか?」

「隠すためよ…」

「隠す?
何を…」

「分からない?
私の体…よ」

「どうして東間くんが…。
北田さんの体を隠すんです?」

「分からない?
私が男に体をジロジロ見られてるのを見て、私がそれを嫌がってると思ったのよ…」

思うかな…。

話の聞いてる限りは堂々と見せていそうだけど…。

「だから、彼は私をぎゅっと抱き締めるように隠したの。
彼は私に変だと思われたくなかったのか。
『背中にシールがついてますよ』なんて言って見せたの…。
わざわざバナナについているシールを用意してたみたい」

「あの…ちなみにその日は朝何を食べたか…」

「それはもちろんバナナよ。
朝、毎日食べてるの」

変人が用意してないのは確定…と。

「そんな男の人は初めてよ」

「そうですか…。
だから、彼を好きに…」

「それだけじゃないわ。
彼…イケメンだし」

まぁ…イケメン…。


だね…。