秋が終わり、冬が過ぎて、春がやって来ました。


私は今日から高校2年生です。

「やばい!!
遅刻しちゃう!!!」

私は朝から慌てていました。

「那子!
弁当忘れてるよ」

お姉ちゃんが私に弁当を渡す。

「ありがとう。
お姉ちゃん」

お姉ちゃんは無事に高校を卒業し、地元の大学に通っている。

「あっ。
髪の毛、寝癖ついてる」

「嘘!!」

お姉ちゃんが私の髪を撫でる。

「うん。直った」

「ありがとう」

言い合いになったあの日以降、私達は仲が悪くなるどころか以前よりももっと仲良くなっている。

今ではお互いの本当に一番好きなものを知っている。

「四士舞が今日出る音楽番組取っておくね」

「お願いします。
私は帰りにCD屋さんに行って、TUKIKAGEの新曲のCD予約しておくね」

「お願いします。
那子! もう行かないと」

「そうだよ!
行ってきまーす」

「行ってらっしゃい」

「那子」

「お母さん、行ってくるね」

変人の悪口ばかり言ってたお母さん。

それも今は恋人が出来たおかげで

「那子、待って。
お母さんの話を聞いてくれない?」

「いや…行って…」

「今日の朝、彼からモーニングコールがなかったのよ。昨日まで会ったのに…彼に何か…」

「ごめん! お母さん!
今、急いでるんだ!
話は帰ってから聞くから…。
行ってきまーす!!」

「那子!
待ってよー」

毎日、おのろけ話ばかりだ。