漂う嫌悪、彷徨う感情。




---------翌朝、AM9:00。

昨日の夜にパックをしたおかげで、(本人曰く)お肌ツルツルになり(男のオレから見ると、どこがどう違うのかさっぱり分からないが)、オレチョイスのシンプルワンピを着た美紗と一緒にオレの実家に行くべく、2人で美紗の部屋を出た。

オレの隣で、

「美容室に行けば良かった」

と毛先を摘まみながら呟く美紗。 

「イヤイヤイヤ。 そんなに張り切らなくていいから。 美紗が気張ると、ウチの親も変に取り繕わなくちゃいけなくなるじゃん。 気楽に行こうよ、美紗。 大丈夫。 美紗は、『お義母さんが立派に育て上げた、ちゃんとしたお嬢さん』だよ」

毛先を弄る美紗の手を取り、繋ぐ。

「気楽に・・・。 無理だよ。 緊張するよ。 勇太くん、ワタシの実家に行くのに全然緊張しなかったよね。 なんで?? 営業職だから?? 職業病?? 心臓に毛が生えているの??」

家を出てから終始そわそわしっぱなしの美紗が、ナチュラルに失礼な事を口にした。

「オイ、コラ」

「だって落ち着かないんだもん」

美紗が『変じゃないよね?? どこもおかしくないよね??』と自分の身体のあらゆる所を見回した。

「大丈夫!! 可愛いよ」

『落ち着け』と美紗の肩を掴むと、『可愛い』と言われた事に照れる美紗が、

「・・・普通でしょ」

と顔を赤くした。 やっぱり美紗は可愛い。