「・・・美紗、大丈夫なの?? 美紗が真琴に会う気があるなら、真琴なんか叩き起こすけど・・・」
戸惑うオレに、
「だって、新婚旅行のお礼言わなきゃ。 正直怖いよ。 やっぱりどうしても怖い。 だけど、ワタシには盾がある。 家族になるのに、味方になるはずの人に盾を翳すのはおかしな事だとは分かってるけど、でもまだワタシには勇太くんが必要。 今はまだ、傍についていて欲しい」
美紗は『大丈夫』とは言わずに、本音を返した。 そんな美紗の言葉が引っかかる。
「『まだ』って。 そのうちオレを必要としなくなるって事??」
「この件に関してはだよ。 勇太くんがいなきゃ、お義父さんやお義母さんや真琴ちゃんに会えない関係なんて嫌だから。 勇太くんの事はずっと必要。 勇太くんがワタシを必要としなくなっても、ワタシには勇太くんが必要不可欠」
顔の中央に全パーツを寄せて顰めるオレに、美紗が大きく首を左右に振った。
「よく言うよ。 結婚取りやめようとしたくせに」
美紗に『必要』と言われて嬉しかったくせに、意地悪を言ったらもっと別な言葉で喜ばせてくれるんじゃないかと期待して捻くれてみせると、
「・・・結局出来なかったじゃん。 勇太くんの事、やっぱり好きなんだもん。 勝手な事をして困らせて嫌な思いさせて、本当にごめんなさい。 これからは勇太くんの事、大事にするから。 だからずっと、ワタシの傍にいてください。 お願いします」
オレの言葉は美紗にとってキツイ一言だったらしく、美紗が申し訳なさそうにオレに懇願した。



