漂う嫌悪、彷徨う感情。


「えぇー!! 約束させた側が破るって何?! まぁいいけど!! だって2人揃って来たって事は、仲直りしたって事でしょ??」

お義母さんは、一瞬頬を膨らませて怒った仕草をしたけれど、すぐに笑顔でオレの顔を覗き込んだ。

「結婚しますって事ですよ。 先回来た時は気が引けて『お義母さん』って呼べなかったんですけど、今日からは気兼ねなしに呼ばせて頂きます」

「それ、実はこの前気になってて、結構淋しかったのよ。 でも良かったわー。 本当にー」

涙ぐみながら、何故かオレにハイタッチを求めるお義理母さん。

美紗はきっと、お義母さんのこういう明るさと優しさに救われていたから、真琴の酷い虐めに耐える事が出来たのだろうと思った。

「すみませんでした。 お義母さん」

お義母さんの手に自分の手を重ねると、

「良くやった!! 義息子ー!!」

と、お義母さんが何度も『パチパチ』と音を鳴らせながら、ハイタッチを繰り返した。