漂う嫌悪、彷徨う感情。


美紗の実家に着き、ベルを鳴らすと、

「はーい。 いらっしゃーい」

お義母さんが元気に玄関のドアを開けた。

「急にオレまで付いてきてしまってすみません」

ぺこっと頭を下げて挨拶をすると、

「美紗から突然『2人で行く』ってLINE来たから、たいした料理作れなかったー。 もうちょっと早く言ってくれれば良かったのにー。 お買い物に行く時間もなかったから、勇太くんの好きな料理はからあげくらいしかないわよ。 あとはみんな美紗の好きなものばっかりになっちゃった」

頭の上からお義母さんのチョップが下りてきた。

頭を摩りながら顔を上げると、お義母さんがオレに『グッジョブ』と口パクしながら笑った。

「お気遣いありがとうございます。 ・・・あのー、お義母さん。 『美紗の話をした事は美紗には黙っていてください』と自分からお願いしておいて何なのですが・・・オレ、話しちゃいました。 すみません。 美紗、全部知ってます。 口パクじゃなくて、声にしちゃって大丈夫です」

オレとの約束をしっかり守っていてくれただろうお義母さんに、更なる謝罪をすると、