「――く、咲!」 「あ、お父さんおはよ」 「ああ、おはよう」 振り返ると父がいた。 掃除に夢中で完全に時間が経つのを忘れていた。 もう太陽が大分昇っている。 「美名子さんがもうすぐご飯出来るって言ってたから、みんなを起こしてくれないか?ここは私がやっておくから」 「分かった」 私はお父さんに箒を渡すと、小走りに境内を後にした。